フルHD(1080p)のゲーミングPCを組むときに多くの人が迷う3枚(4モデル)で、決め手は速さそのものより、VRAM・遊ぶゲームが対応する超解像・CPUです。
| グラボ | VRAM | 発売時価格 | フルHD 高 | フルHD ウルトラ | WQHD 高 | WQHD ウルトラ | WQHD・高設定で60fps以上のタイトル数 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| Arc B580 | 12GB | $249 | 96 | 75 | 68 | 60 | 129 |
| GeForce RTX 5060 | 8GB | $299 | 117 | 94 | 79 | 63 | 154 |
| Radeon RX 9060 XT 8GB | 8GB | $299 | 123 | 99 | 85 | 68 | 164 |
| Radeon RX 9060 XT 16GB | 16GB | $349 | 130 | 105 | 92 | 73 | 171 |
表の数字は、210タイトルのフレームレート(fps)の推定値の中央値で、超解像を使わないネイティブ解像度です。WQHD(1440p)もここに含みます。ここに載せたfpsはすべてFPSVibeのモデルによる推定値で、これらのグラボを実際に動かして得た数字ではありません。モデルの調整に使っていない公開ベンチマーク結果と比べると、誤差の中央値は約10%です。特に断りがない限り、Ryzen 7 7800X3Dとメモリ32GBの条件で、できるだけグラボの性能が上限になるようにしています。価格は米国での発売時価格です。
速度:思ったより差は小さい
僅差のときの扱いについて:モデルの誤差の中央値は約10%なので、推定値の差が10%未満の2枚は「勝ち負け」ではなく「同等」とします。その場合は、価格・VRAM・機能で決めることになります。
フルHD・高設定では、RX 9060 XT 16GBがRTX 5060より約11%速く、RTX 5060はArc B580より約23%速くなります。RX 9060 XT 8GBはその間で、RTX 5060を5%上回る程度です。同じ発売時価格なので、同等と見ていいでしょう。WQHD・高設定でも順位は同じで、210タイトルのうち60fpsに届くのは、RX 9060 XT 16GBで171タイトル、B580で129タイトルです。
発売時価格あたりの性能は4モデルとも差が10%以内で、どれも発売時価格なら損な買い物ではありません。選ぶのは、どこまで速さとVRAMにお金をかけるかです。
| ゲーム(WQHD・高設定) | Arc B580 | RTX 5060 | RX 9060 XT 8GB | RX 9060 XT 16GB |
|---|---|---|---|---|
| Counter-Strike 2 | 176 | 206 | 222 | 239 |
| Fortnite | 92 | 107 | 115 | 125 |
| Marvel Rivals | 52 | 60 | 65 | 70 |
| Call of Duty: Black Ops 6 | 63 | 74 | 80 | 86 |
| Forza Horizon 5 | 91 | 107 | 115 | 124 |
| Cyberpunk 2077 | 61 | 71 | 77 | 83 |
| Hogwarts Legacy | 57 | 66 | 71 | 77 |
| Baldur's Gate 3 | 79 | 92 ⚠ | 99 ⚠ | 106 |
| モンハンワイルズ | 38 | 45 ⚠ | 48 ⚠ | 52 |
| Black Myth: Wukong | 30 | 35 | 38 | 41 |
⚠は、その画質設定でゲームが求めるよりVRAMが少ないグラボです。カクつきが出るので、テクスチャ品質を下げてください。
VRAM:本当の差が出るのはここ
RTX 5060とRX 9060 XT 8GBは8GB、Arc B580は12GB、RX 9060 XT 16GBは16GBです。フルHD・高設定なら、数字のあるほとんどのタイトルは8GBでまだ足りますが、Baldur's Gate 3とモンハンワイルズはWQHD・高設定の時点で8GBを超える容量を求めます。ウルトラ設定ではさらに増えます。このため、いちばん安い12GBのArc B580は、ウルトラのテクスチャなら$299の2枚より安心です。RX 9060 XT 8GBを買うくらいなら、$50足して16GB版にしたいところです。ゲームごとの詳細は8GBのVRAMで足りる?を参照してください。
超解像とフレーム生成
カードごとに使える超解像技術が違い、どのゲームが対応しているかは、数fpsの差と同じくらい大事です。公式の対応リストにDLSSが載っているのは210タイトル中109タイトル、FSRは82タイトル、XeSSは53タイトルです。RTX 5060は、ゲームが対応していれば3つすべてを使えます。RadeonとArcではDLSSは使えません。フレーム生成は、RTX 5060がDLSS Frame Generation(71タイトル)とFSR Frame Generation(27タイトル)、ほかのグラボはFSR Frame Generationのみです。フレーム生成は表示されるフレームを増やしますが、操作の反応は生成なしのフレームレートのままです。映像をなめらかにするおまけと考え、遅いグラボを選ぶ理由にはしないでください。詳しくはDLSS vs FSR vs XeSSをどうぞ。
よく遊ぶゲームがDLSS対応ばかりなら、ネイティブの速さではRX 9060 XT 8GBと同等でも、RTX 5060を選ぶ意味があります。ネイティブ解像度で遊ぶなら、両者の差はほとんどありません。
CPUによって結果は変わる
上の数字は、グラボごとの差が出るように高速なCPUを使っています。Ryzen 5 5600に替えると、フルHD・高設定でRTX 5060は約100fps、RX 9060 XT 16GBは106fpsに下がり、同等になります。多くのゲームで、グラボではなくCPUが上限になるからです。古いCPUや安いCPUでフルHDを遊ぶなら、速いグラボに足す差額は表で見るほど効かず、VRAMの容量のほうが効いてきます。お使いの組み合わせはボトルネック計算機で確認できます。
消費電力ほか
Arc B580の定格は190Wで、RTX 5060の145W、RX 9060 XTの150〜160Wより高めです。電源ユニットも少し余裕のあるものが必要で、性能のわりに発熱も多くなります。買う前に、よく遊ぶゲームのゲームページで確認してください。お使いのグラボ名での推定fpsが表示され、VRAMが足りないときは警告も出ます。
どれを買う?
- Arc B580:予算が$250前後までで、8GBより多いVRAMがほしい人向けです。
- RTX 5060:遊ぶゲームがDLSSに対応している、またはDLSS Frame Generationを使いたい人で、フルHDで遊ぶ場合に向いています。
- RX 9060 XT 8GB:DLSSなしのネイティブ解像度でフルHDを遊び、8GBでも構わない人向けです。RTX 5060と同じ価格で、性能も同等です。
- RX 9060 XT 16GB:WQHDで遊ぶ人、ウルトラのテクスチャで遊びたい人、長く使いたい人向けです。
どの2枚でも比較ページで並べて比べられます。全グラボの中での順位はフルHDのおすすめグラボで確認してください。