超解像が最も効くのは、WQHD(1440p)や4Kで、グラボが足を引っ張っているときです。フルHD(1080p)や、CPUがボトルネックになっているときは、ほとんど伸びません。
自分のPCで試すなら、FPS計算機の「超解像」オプション(オフ・クオリティ・バランス・パフォーマンス)とフレーム生成のスイッチで、ゲームごとの推定fpsを確認できます。
超解像(アップスケーリング)の仕組み
超解像は、各フレームを低い解像度で描画し、直前のフレームの情報を使ってディテールを補いながら、画面の解像度まで引き上げる技術です。1フレームあたりの画素数が減るぶん、1秒あたりのフレーム数が増えます。モードによって、どこまで低い解像度で描画するかが変わります。
| モード | 描画解像度(縦横それぞれ) | 描画する画素数 | WQHDでの描画解像度 | 4Kでの描画解像度 |
|---|---|---|---|---|
| クオリティ | 67% | 約45% | 1715 × 965 | 2573 × 1447 |
| バランス | 58% | 約34% | 1485 × 835 | 2227 × 1253 |
| パフォーマンス | 50% | 25% | 1280 × 720 | 1920 × 1080 |
クオリティは元の解像度に最も近い見た目で、パフォーマンスはfpsが最も伸びます。フルHDでは描画解像度がかなり低くなる(クオリティで720p)ため、画像のぼやけが目立ちやすくなります。
DLSS・FSR・XeSSの違いは?
| DLSS(NVIDIA) | FSR(AMD) | XeSS(Intel) | |
|---|---|---|---|
| 対応グラボ | GeForce RTXのみ(RTX 20以降) | 最近のグラボなら基本的にすべて | 最近のグラボなら基本的にすべて(Intel Arcが最速) |
| 仕組み | グラボのTensorコアで動くAIモデル | FSR 2・3:調整済みのアルゴリズム、FSR 4:Radeon RX 9000向けのAIモデル | AIモデル(ArcはXMXユニットを使用、他社グラボはやや遅い汎用処理) |
| フレーム生成 | DLSS Frame Generation:RTX 40・50 | FSR Frame Generation:最近のグラボの大半 | ゲームにより異なる。FPSVibeの推定では対象外 |
| FPSVibeで対応を確認できたゲーム | 109タイトル | 82タイトル(FSR 2以降) | 53タイトル |
対応タイトル数は、NVIDIA・AMD・Intelが公開している対応ゲーム一覧をもとにしています(2026年10月17日確認)。210タイトルのうち119タイトルがいずれか1つ以上の一覧に載っていて、3つすべてに載っているのは42タイトルです。一覧にないからといって非対応とは限らないため、その場合は「不明」としています。古いゲームや軽いゲームには、超解像そのものがないことも多くあります。
超解像でfpsはどれくらい伸びる?
FPSVibeの超解像モデルは、調整に使っていない公開済みの超解像ベンチマーク結果221件と照らし合わせて確認しており(誤差の中央値は16%)、次のような伸びを推定しています。標準的なゲームの値は、重いゲーム5タイトル(サイバーパンク2077、Alan Wake 2、Black Myth: Wukong、Hogwarts Legacy、Red Dead Redemption 2)を高設定で動かし、Ryzen 5 7600と組み合わせたときの中央値です。
| グラボ | 解像度 | オフ | クオリティ | バランス | パフォーマンス |
|---|---|---|---|---|---|
| RTX 4060(DLSS) | フルHD | 79fps | 88 (+11%) | 91 (+15%) | 93 (+18%) |
| RTX 4060(DLSS) | WQHD | 53fps | 67 (+26%) | 71 (+34%) | 75 (+42%) |
| RTX 4060(DLSS) | 4K | 19fps | 27 (+42%) | 30 (+59%) | 33 (+73%) |
| RX 9060 XT 16GB(FSR) | WQHD | 77fps | 96 (+25%) | 102 (+32%) | 108 (+40%) |
| Arc B580(XeSS) | WQHD | 57fps | 71 (+25%) | 76 (+33%) | 80 (+41%) |
| RTX 5070(DLSS) | フルHD | 111fps | 111 (+0%) | 111 (+0%) | 111 (+0%) |
| RTX 5070(DLSS) | 4K | 43fps | 59 (+37%) | 65 (+52%) | 71 (+65%) |
ポイントは次の3つです。
- 解像度が高いほど伸びる。超解像で速くなるのは、フレームのうち画素数に左右される部分だけです。その部分はフルHDより4Kのほうが大きくなります。そのため、推定の伸びは「画素数25%=fps4倍」よりずっと小さくなります。
- CPUの性能は超えられない。RTX 5070・フルHDでは、5タイトル中4タイトルでRyzen 5 7600がすでに上限になっていて、超解像をかけても伸びません。お使いの組み合わせはボトルネック計算機で確認できます。
- DLSS・FSR・XeSSの負荷はほぼ同じ。どれもフレームごとに少し時間がかかります。Intel Arc以外のグラボでXeSSを使うと負荷が約50%大きくなるため、fpsは数fps低くなります。
フレーム生成と入力遅延
フレーム生成(DLSS Frame Generation、FSR Frame Generation)は、実際のフレーム2枚の間に生成したフレームを1枚挟む機能です。fpsの表示はほぼ2倍になりますが、ゲームが操作を受け付けるのは実際のフレームのときだけです。
RTX 4060・WQHD・高設定で、同じ5タイトルにクオリティ+フレーム生成を使った場合は次のとおりです。
| 実fps | 表示fps | |
|---|---|---|
| クオリティ | 67 | 67 |
| クオリティ+フレーム生成 | 60 | 120 |
つまり、映像は120fpsのように滑らかに見えても、操作の反応は60fps相当です。フレーム生成自体にも負荷がかかるため、クオリティのみの場合より少し遅くなります。FPSVibeのツールでは、「60fpsで動く」は常に実際のフレームの数を指します。
使うべき場面は次のとおりです。
- オンにするのは、ゲームがすでに実fps60前後で動いていて、120Hz以上のモニターを使っているとき。見た目が滑らかになり、操作の反応も保てます。
- オフにするのは、対戦型シューティングや、実fpsが低い(30前後)とき。見た目は滑らかになっても操作感は30fpsのままで、遅延だけが増えます。
- ゲームが対応しているなら、NVIDIA ReflexやAMD Anti-Lagもオンにしましょう。遅延を抑えられます。
どの超解像を使えばいい?
- GeForce RTX 20・30・40・50:DLSS。フレーム生成にはRTX 40か50が必要です。
- Radeon RX 9000:対応ゲームではFSR 4、それ以外はFSR 3。
- 古いRadeon、GeForce GTX:FSRかXeSS。ゲーム内で両方試してみてください。fpsはほぼ同じです。
- Intel Arc:XeSS。グラボ内蔵のAI専用ユニットで動きます。
- 内蔵GPUと携帯ゲーミングPC:FSR。どのチップでも動きます。フルHDでの伸びは控えめで、FPSVibeの推定では約10〜20%です。
ゲームが1種類しか対応していない場合は、それを使えば問題ありません。fpsの伸びはどれも似ています。画質はFPSVibeの推定には含まれません。ゲーム内でモードを切り替えて、見た目がシャープなままの最も低いモードを選んでください。
どのモードを選べばいい?
- フルHD:クオリティ。目標のfpsにすでに届いているなら、超解像はオフでかまいません。
- WQHD:クオリティかバランス。
- 4K:バランスかパフォーマンス。4Kのパフォーマンスでも描画解像度はフルHDで、WQHDのクオリティより画素数が多くなります。